免除の種類
保険料免除制度には、『法定免除制度』と『申請免除制度』の2種類があります。
また、世帯主の所得が高いため免除にならない50歳未満の方を対象とした『納付猶予制度』や、学生を対象とした『学生納付特例制度』があります。
※出産前後の期間については、『産前産後期間の保険料免除制度』が優先されます。
法定免除
次に該当する方は、届出によりその期間の保険料の全額が免除されます。
対象者
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害基礎年金や障害等級1級または2級の障害厚生(共済)年金などを受給している方
- 厚生労働大臣が指定する施設(国立ハンセン病療養所など)に入所している方
手続き
「国民年金被保険者関係届(保険料免除理由該当届)」を提出してください。
届出が遅れた場合でも、要件に該当した月の前月から保険料が免除されます。
申請場所
手続きに必要なもの
- 生活扶助を受給の方は「生活保護受給証明書」、障害年金を受給の方は「障害年金証書」
- マイナンバーカードまたは通知カード(通知カードの場合は、顔写真付の身分証明書)
- はんこ
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
申請免除
所得の減少や失業などで保険料を納めることが困難なとき、申請をして承認されると、保険料の全額または一部が免除されます。
対象者
第1号被保険者
※学生の期間については、『学生納付特例制度』をご利用ください。
審査基準
本人、配偶者、世帯主のそれぞれの所得が基準以下に該当することが必要です。
<所得基準>
全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除:78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除:118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除:158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
免除対象になる所得のめやす
免除対象になる所得のめやす世帯構成(扶養人数) (モデルケース) | 全額免除 | 4分の3免除 (4分の1納付) | 半額免除 (2分の1納付) | 4分の1免除 (4分の3納付) |
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4人世帯(扶養3人) (ご夫婦、お子さん2人) | 162万円 | 230万円 | 282万円 | 335万円 |
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2人世帯(扶養1人) (ご夫婦のみ) | 92万円 | 142万円 | 195万円 | 247万円 |
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単身世帯(扶養なし) (申請者本人のみ) | 57万円 | 93万円 | 141万円 | 189万円 |
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- 前年中の所得で審査します。申請時期によっては前々年中の所得で審査することがあります。
- 本人だけでなく、配偶者や世帯主も免除基準に該当していることが必要です。
- 4人世帯および2人世帯のモデルケースは、ご夫婦のうち、どちらか1人に所得がある場合を想定しています。
- 免除基準は社会保険料控除などの控除額によって、各個人で異なります。
承認期間
7月から翌年6月までの1年間です。
- 過去2年1か月分までさかのぼって申請できます(未納期間に限る)。
- 申請手続きは原則として毎年度必要です。毎年7月に新年度分の受付が始まります。
手続き
「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を提出してください。
なお、申請される年度の前年所得で審査を行いますので、所得が未申告の場合は必ず事前に申告してください。
申請場所
手続きに必要なもの
- マイナンバーカードまたは通知カード(通知カードの場合は、顔写真付の身分証明書)
- はんこ
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
退職(失業)による特例
所得が基準を超えている場合でも、失業などにより保険料の納付が困難なときは、「退職(失業)による保険料免除の特例」があります。
- 「退職(失業)による特例」で申請する場合には、退職(失業)した方の前年所得がゼロとして審査されます。
- 配偶者や世帯主が退職(失業)した場合も、特例申請をすれば、退職(失業)した方の前年所得がゼロとして審査されます。
手続きには、次の書類(写しでも可)が必要です。
退職した方の
- 「雇用保険被保険者離職票」
- 「雇用保険受給資格者証」
- 「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」
- 離職者支援資金貸付制度の「貸付決定通知」
詳しくは、問い合わせてください。
免除が承認された期間の取り扱い
- 『老齢基礎年金』を受けるために必要な受給資格期間に算入されます。
- 老齢基礎年金額に一部反映されます。
- 免除期間中の障がいや死亡といった不慮の事態には、『障害基礎年金』または『遺族基礎年金』が支給されます。
- 申請が遅れると、申請日前に生じた不慮の事故や病気について、障害基礎年金または遺族基礎年金が支給されない場合がありますので、申請手続きは早めに行ってください。
- 免除された保険料は、10年以内であれば、あとから納めること(追納)ができます。詳しくは、『追納制度』をご覧ください。
老齢基礎年金額への反映
免除が承認された期間について、老齢基礎年金を計算する場合は次のとおりです。
- 全額免除⇒全額納付した場合の2分の1(平成21年3月以前の期間は3分の1)として計算されます。
- 4分の3免除(4分の1納付)⇒全額納付した場合の8分の5(平成21年3月以前の期間は2分の1)として計算されます。
- 半額免除(2分の1納付)⇒全額納付した場合の4分の3(平成21年3月以前の期間は3分の2)として計算されます。
- 4分の1免除(4分の3納付)⇒全額納付した場合の8分の7(平成21年3月以前の期間は6分の5)として計算されます。
一部免除が承認された場合の注意点
- 一部免除が承認された方には、日本年金機構から一部納付用の納付書が送られます。
- 一部納付の保険料を納めなかった場合は、承認を受けていても未納期間となり、年金を受けるために必要な受給資格期間には算入されず、年金額にも反映されません。
- 納付期限から2年後の使用期限を過ぎると、一部納付の保険料は納められなくなり、残りの保険料の追納もできません。