平成28年度から適用される住民税の主な改正点
[2018年1月18日]
[2018年1月18日]
平成28年10月1日以後の公的年金からの特別徴収制度が改正されます。
この改正は、年間の徴収税額の平準化(仮特別徴収税額と本特別徴収税額の金額を同額にすること)を図るため、仮特別徴収税額は「前年度分の公的年金等に係る住民税額の2分の1に相当する額」となります。
※仮特別徴収税額の算定方法を見直すものであり、税負担となる公的年金からの年税額の増減を生じさせるものではありません。
現行(~平成28年8月分) | 改正後(平成28年10月~) | |
---|---|---|
1回あたりの仮特別徴収税額 (4・6・8月) | 前年度の本徴収税額÷3 (前年度2月と同額) | (前年度分の年税額×2分の1)÷3 |
1回あたりの本特別徴収税額 (10・12・2月) | (年税額-仮徴収税額)÷3 | (年税額-仮徴収税額)÷3 |
ここでの年税額とは、公的年金等に係る住民税額をいいます。
個人住民税の公的年金からの特別徴収制度の見直し
現行制度では、公的年金からの特別徴収(年金から引き落とし)対象者が、他の市区町村に転出した場合や、特別徴収する税額に変更が生じた場合、公的年金からの特別徴収は停止となり、普通徴収(個人で納付)に切り替わっていましたが、一定の要件の下で特別徴収が継続されることとなります。
以下の停止理由のうち、今回の改正で2,4,5のケースが一定の要件の下、特別徴収が継続されることとなります。
1.介護保険料が公的年金から特別徴収されなくなったとき
2.他市区町村に転出したとき
3.年金からの特別徴収対象者が死亡したとき
4.確定申告、市民税・都民税申告等により、税額が変更となったとき(期限後申告や所得税の更正の請求、修正申告など)
5.公的年金等支払者からの再裁定による支払金額等の訂正通知により、所得額及び所得控除額の変更により税額が変更になったとき
6.公的年金等支払者から年金の差止や失権により公的年金自体が停止したとき
※ 公的年金からの特別徴収の対象となるのは、「4月1日現在、65歳以上の年金受給者で、前年中の年金所得にかかる住民税の納税義務のある方」です。
ただし、次の者については、特別徴収の対象になりません。
1.介護保険料が年金から、引き落としされていない方
2.引き落としされる住民税額が、老齢基礎年金等の額を超える方 など
平成27年度税制改正において、「ふるさと寄附金」に係る寄附金税額控除については、基本控除に加算される特例控除額の上限が、住民税の所得割額(調整控除後の所得割額)の10%から20%に拡充されることとなります。
(平成27年1月1日以後に支出する寄附金、平成28年度以降の住民税から適用)
特例控除
市民税:(寄附金額-2000円)×{90%-(所得税の限界税率×復興特別所得税率)}×5分の3
都民税:(寄附金額-2000円)×{90%-(所得税の限界税率×復興特別所得税率)}×5分の2
・特例控除は、調整控除後の住民税所得割額の20%(改正前10%)が上限となります。
所得税の限界税率とは、その人に適用される所得税の税率を言います。課税総所得金額により5%~45%(平成26年分以前は5%~40%)の超過累進課税となります。
東日本大震災からの復興のため、平成25年1月1日から平成49年12月31日までは復興特別所得税として、所得税の限界税率に復興特別所得税を加算して計算します。
※課税総所得金額より人的控除額の差額が上回る場合や課税山林所得金額、課税退職所得金額、課税の特例が適用される所得を有する場合は、異なる割合が適用されます。
確定申告が不要な給与所得者等が、ふるさと納税を行う際、5団体以内であれば、寄附先の団体に特例の申請をすることで、確定申告を行わなくても寄附金控除を受けられる制度「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
(平成27年4月1日以後に支出する寄附金から適用)
ワンストップ特例制度の適用を受ける場合は、所得税からの控除は発生せず、寄附をした年の翌年に課税される住民税額から、前述の基本控除、特例控除に加え、申告特例控除の額が控除されます。
なお、下記ワンストップ特例制度が利用できない場合に該当する方は、これまでと同様に、申告を行う必要があります。
ワンストップ特例制度が利用できない場合
※ ワンストップ特例制度の対象とならない主な該当事例
申告特例控除
市民税:特例控除額×下記に定める割合×5分の3
都民税:特例控除額×下記に定める割合×5分の2
課税総所得金額 人的控除差調整額 |
割合 |
---|---|
~1,950,000円 | 85分の5 |
1,950,001円~3,300,000円 | 80分の10 |
3,300,001円~6,950,000円 | 70分の20 |
6,950,001円~9,000,000円 | 67分の23 |
9,000,001円~ | 57分の33 |
(注)人的控除差とは、所得税と住民税での人的控除(基礎控除、配偶者控除など)の控除額の差のことで、人的控除差調整額とは、その差額の合計額のことです。
ただし、東日本大震災からの復興のため、平成25年1月1日から平成49年12月31日まで復興特別所得税が課税されることに伴い、平成28年度から平成50年度までは下表の割合で計算します。
課税総所得金額 人的控除差調整額 |
割合 |
---|---|
~1,950,000円 | 84.895分の5.105 |
1,950,001円~3,300,000円 | 79.79分の10.21 |
3,300,001円~6,950,000円 | 69.58分の20.42 |
6,950,001円~9,000,000円 | 66.517分の23.483 |
9,000,001円~ | 56.307分の33.693 |
ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
ふるさと納税に係る控除額の計算について